「これまで、ヤマトシリーズを大きく20世紀ヤマトと21世紀ヤマトに分けていたが、実際は違うのではないかと思えてきた」
「というと?」
「実際はヤマト2199だけが別なのだ」
「その理由は?」
「復活篇もSBヤマトもセンスが20世紀なのだ」
「では、どこに決定的な違いがあるのだい?」
「ポストモダンなフラットな世界観だ」
「フラットな世界観とはなんだい?」
「私とあなたは対等である、という世界観だ。世代差は本質として存在せず、世代交代は起きない。全ての人間のメンタリティは同じであり、異質なる他者は存在しない」
「だから沖田から古代への世代交代はなく、地球人とガミラス人のメンタリティは同じなんだね」
「このフラットな世界観はおおむね今どきの主流だ。しかし、ヤマトシリーズに限って言えばヤマト2199にしか存在しない」
「だから、そこでヤマト2199の特殊性になるわけだね」
「しかし、話はそれだけではない」
「というと?」
「フラットな世界観は壁を作ってタコツボ化を促進すると気づいた」
「それはなぜ?」
「実はフラットな世界観があるとしても、それは世界がフラットになったことを意味しない」
「その意味は?」
「つまり、【私とあなたは対等である】と皆が信じたとしても、実際に対等になったわけではないのだ。依然として人間には差がある」
「そこで、似た者が集まってタコツボを作るのだね」
「そうだ。そしてタコツボの中に入って外の世界を遮断する。それによって、フラットな世界が嘘であることがばれないようにする」
「そのことにどんな意味が?」
「タコツボは一度入ってしまうと外の世界が遠くなる。つまり、ヤマト2199というタコツボに入ってしまうと、それ以外のヤマトシリーズは全て遠景に引いてしまう」
「だから言論もグッズもヤマト2199に偏りがちだってことだね」
「他のタイトルは、タコツボ化していないので、そこにファンが滞留しない。簡単に他に流れてしまう。ヤマト2199もかなりのにわかファンを既に逃しているが、まだかなりのファンがここに滞留している」
「その滞留したファンから発せられる言葉がヤマト2199が前提で、ヤマト2199だけを考慮した発言になるってことだね」
「そうなりやすい傾向がある……ってことだ。絶対に100%そうなるってことではないがね」
オマケ §
「しかし、フラットな世界は実際には存在せずフィクションの中にしかない」
「そのギャップが世界に軋轢を生むのだね」
「うむ」
「ダジャレかよ」